抹茶の粉と茶杓

#T002|抹茶とは|What is Matcha

抹茶は、葉そのものを飲む唯一の茶。覆い下の三週間と石臼の遅さが、あの香りをつくります。深翠と千露、ふたつの抹茶の違いも。

光を遮られた葉は、静かに旨みを蓄える。
石臼は、一時間にわずか40gしか挽かない。
抹茶とは、時間を飲むことだ。

Matcha is the only tea where you drink the leaf itself.

抹茶とは何か — WHAT IS MATCHA

抹茶は、「抽出する茶」ではなく「葉そのものを飲む茶」です。煎茶や紅茶が湯に溶け出した成分だけを味わうのに対し、抹茶は茶葉を丸ごと粉にして、そのすべてを取り込む。だから香りも、旨みも、色も、他のどの茶より濃密です。

ただし、緑色の粉ならば何でも抹茶になるわけではありません。抹茶を抹茶たらしめるのは、収穫前の「覆い」と、石臼の「遅さ」。このふたつの工程に、抹茶の本質があります。

覆い下で育つ — GROWN IN SHADE

覆い下の茶畑

収穫前の約3週間、茶畑に覆いをかけて日光を遮ります。光を失った葉は、光合成の代わりに旨み成分テアニンを葉の中に蓄え、渋みのもとになるカテキンへの変換を止める。同時に、覆いの中でしか生まれない特別な香り——「覆香(おおいか)」をまといます。

こうして育った葉を蒸し、揉まずに乾かしたものが碇茶(てんちゃ)。抹茶の原料となる、抹茶のためだけの茶です。

石臼の遅さ — THE SLOWNESS OF STONE

石臼で挽く抹茶

碇茶は石臼で挽かれて、はじめて抹茶になります。石臼が一時間に挽ける量は、わずか約40g——缶ひとつ分にも満たない。機械で速く挽けば熱が出て香りが飛ぶ。この遅さは非効率ではなく、香りを守るための選択です。挽きたての抹茶の粒子は数ミクロン——だから舌になめらかで、泡がきめ細かく立ちます。

ふたつの抹茶 — SHINSUI & SENRO

MIOKAの抹茶は、京都・和束町の有機栽培茶葉(有機JAS認証)から生まれた二種。違いは品種——つまり、香りの設計です。

深翠 -SHINSUI- 千露 -SENRO-
品種 おくみどり やぶきた
香り 覆香が高く、華やか 穏やかで落ち着いた香り
旨みの奈落が深い すっきりとした余韻
おすすめの時間 朝の一服、特別な時間に 午後の休息、ラテにも

※どちらも藄茶(そのまま点てる飲み方)に適した品質です。点て方は抹茶の点て方をご覧ください。

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光を遮った三週間と、石臼の一時間。
そのすべてが、一杯の中にある。

Fragrance Beyond Time and Borders.